第1章：#ババババンビ解散の衝撃——アイドルグループが“持続できない”マネーの現実

2025年11月27日、「#ババババンビ」の公式サイトに掲載された“解散”の一文は、ファンだけでなく芸能関係者にも大きな波紋を広げた。

「メンバーが抱える目標や夢を最大限尊重いたしました」——たった一文の告知の裏には、アイドルビジネスが抱える深い構造的な問題が横たわっている。

一見、SNSフォロワー数が数十万人を超え、ライブは即日完売、グッズも売れる「人気アイドル」に見えても、経済的な持続性が確保できていない現実があるのだ。

アイドルグループの運営は、ファンが思う以上に高コスト構造だ。

たとえば、年間50本のライブを行うグループを例に取ると、1公演あたりの会場費・照明・音響だけで50万〜100万円が必要。

地方公演やツアーを含めると、年間のライブ関連経費は3,000万円前後に達する。

これに加えて、メンバーの衣装制作費（1人あたり年間50万円〜100万円）、ダンス・ボーカルレッスン料（月10万円前後×6人で年間720万円）、交通・宿泊費などを合算すれば、年間運営費は優に5,000万円を超える。

第2章：アイドルの年収と経費のリアル——#ババババンビメンバーが抱えていた“金銭的不均衡”

アイドルという職業には、常に「夢」と「現実」が同居している。

華やかなステージ、煌めく衣装、SNSにあふれる笑顔。

しかしその裏側で、多くのアイドルは年収300万円以下の生活を強いられている。

人気があっても、フォロワーが何十万人いても、手取りが生活費に届かない——それが令和のアイドル業界の実態だ。

#ババババンビの解散も、こうした経済的な格差構造を象徴している。

アイドルグループを支える運営会社の仕事は、単なるマネジメントではない。

ライブ制作、SNS運営、グッズ企画、スポンサー交渉、ファンクラブ管理……すべてを内製化し、24時間「ファン経済」を動かす“仕組みの設計者”でもある。

しかし、華やかなビジネスの裏で、多くの運営会社が直面しているのは「売れても利益が残らない」という根本的な矛盾だ。

アイドルグループの運営には、想像以上の「先行投資」が必要だ。

#ババババンビのような全国規模で活動する中堅クラスのグループを例に取ると、年間の運営費は1億円前後に達する。

ファンから見れば「ライブが盛り上がっている＝儲かっている」と思いがちだが、実際にはその多くが“投資的支出”であり、キャッシュフローの綱渡り状態で運営されているのが現実だ。

解散後、アイドルは「個人事務所」として再出発する。

YouTube、TikTok、ファンクラブ、クラウドファンディング。

SNSが新しい経済のプラットフォームとなり、フォロワーは資本に変わる。

#ババババンビのメンバーたちも、影響力を武器に“セルフブランド経営”を進めていくだろう。

アイドル市場は今、歴史的な転換期を迎えている。

かつて「CDが売れること＝人気の証」だった時代は終わり、いまや推し活こそが市場の主軸だ。

ファンが単なる消費者ではなく、ライブ制作やプロジェクトの出資者になる新しい時代。

#ババババンビの解散は終焉ではなく、推し活経済の再生の始まりなのだ。